公園の砂場で学んだ「どうぞ」と距離感の難しさ

初めて息子を公園の芝生に連れて行ったのは、歩き始めが嬉しくて仕方がなかった1歳の頃でした。

最初はただ楽しそうにトコトコ歩いているだけでしたが、2歳を過ぎて自我が強くなってくると、公園でのお友達との関わり方に大きな悩みが生まれました。

言葉は少しずつ増えてきたものの、まだ自分の気持ちを上手にコントロールできない息子。

砂場で遊んでいる時、お友達が使っているバケツが欲しくなると、言葉で「貸して」と言えずに強引に奪い取ってしまったり、逆に自分の玩具に触れられると「あっち行って!」と激しく怒ってお友達を泣かせてしまうことが頻繁に起きたのです。

お友達と仲良くしたい気持ちはあるのに、距離感の取り方が分からずにトラブルになってしまう息子を見て、私もだんだんと公園へ行くのが億劫になり、精神的にしんどくなってしまいました。

そこで、普段の家での生活から、おもちゃを渡す時に「どうぞ」、何かしてもらった時に「ありがとう」「ごめんね」の言葉を徹底して教え、繰り返し練習しました。

そんなある日の公園でのことです。いつもなら自分の使っているショベルを取られそうになると怒り出す息子が、一瞬動きを止め、小さな手でお友達に向かって「どうぞ」と玩具を譲ることができたのです。

お友達から「ありがとう」と言われ、照れくさそうに、でもどこか嬉しそうに微笑んだ息子の顔を、私は一生忘れることができません。

それからは「一緒に遊ぼう」と自分から声をかけられるようになり、公園という小さな社会を通して、子供は少しずつ優しさとルールを学んでいくのだと感じています。


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