ABA（応用行動分析）の基本原理

ABA（応用行動分析）は、自閉症のあるお子さんへの療育法として、最も多くの科学的根拠がある手法のひとつとされ、世界中で広く実践されています。特に、必要なスキルの獲得や問題行動の軽減に有効であることが、数百件の研究によって実証されています。

ABAの基本原理は、「強化された行動は増える、強化されなければ減る」というシンプルな考え方です。最も古典的な手法として知られる「離散試行訓練（DTT）」では、1対1でスキルを細分化し、繰り返しの中で報酬を通じて学習させます。現在では、この形式に加え、より自然な遊びの中でスキル習得を促す「偶発的指導」や「ピボタル・レスポンス・トレーニング（PRT）」、複数の発達目標を統合した「アーリースタート・デンバーモデル（ESDM）」など、子どもの特性に応じた多様なアプローチが開発されています。

これらの手法はすべて、日常の活動の中で自然に学びを促すことを重視しており、「学び＝楽しいこと」と感じられる環境づくりが大切にされています。